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HN:沙織(父)
----------以下、Webから(毎日jp・富山地域情報から)----------
後天性脳損傷:悩み共有し、情報交換を 「親の会」設立へ準備進める /富山
交通事故や病気などで脳に損傷を受けた「後天性脳損傷」の子を持つ親が語り合う場をつくろうと、高岡市の大野美絵さん(41)らが「親の会」設立の準備を進めている。大野さんは「抱える悩みを仲間で共有し、情報交換をしていきたい」と話している。【蒔田備憲】
大野さんの長男賢司君(14)は、小学2年生の時、道路を横断中に乗用車にはねられ、頭や首の骨を折る大けがを負った。命は助かったが、寝たきり状態で呼びかけても反応がなく、いつ回復するかの見込みも立たない「遷延性(せんえんせい)意識障害」の状態になった。
事故から8カ月後。病院で級友の歌を聴いた時、事故後初めて、声を出して笑うという「奇跡的な瞬間」を迎えた。それから少しずつ回復。現在は高次脳機能障害の症状があり、右半身にまひが残るものの、車椅子で生活できるようになり、市内の養護学校に通いながらリハビリを続けている。
大野さんが「親の会」の設立を考えたのは、賢司君が回復の兆しを見せた時、「どんなリハビリを積んだらいいのか」「どこに相談したらいいのか」が分からなかったからだ。
「子どもが突然障害を持ち、目の前のことで精いっぱいになる。そんな時、悩みを打ち明けたり、病院や訓練施設の情報を共有できる場があれば、親は救われる」
子どもの後天性脳損傷についてもっと知ってほしいとの思いもある。「回復の可能性がありながら、それを知らなかったり、性格や態度が変わることを『仕方ない』と受け入れている人も多いはず」。病院や支援施設、教育機関にも理解を広め、親と子をサポートできるような態勢づくりにつなげたいとも考えている。
今年2月から、県内の高次脳機能障害の患者らでつくる「脳外傷友の会 高志」のメンバーらと、準備を始めている。設立時期は未定だが、病院や訓練施設などに「患者、家族が来たら取り組みを紹介して」と呼びかけている。問い合わせは大野さん(0766・64・1865)。
◇家族、学校巻き込み支援を大野さんら後天性脳損傷の子どもを持つ親たちが悩みを抱える背景には、専門的な治療・リハビリができる病院が少ないことや、関係機関の理解不足がある。
後天性脳損傷の子どもの支援に詳しい神奈川リハビリテーション病院(神奈川県厚木市)の栗原まな小児科部長によると、専門的に治療に取り組んでいるのは、同病院を含めても全国で数えるほど。先天性の障害に比べ人数が少ないことや、障害が一人一人違うため、個別に訓練計画を組むなどきめ細かな対応が必要になるからだ。
同病院の場合、1人の子どもに対し医師、理学療法士、臨床心理士など10人ほどがチームをつくり、プログラムを組んでいる。「家族、学校も巻き込んだ支援態勢が必要」という。
とりわけ教育現場の支援は欠かせない。栗原部長は「病院だけで治すのではなく、家庭、学校で生活しながら回復を図っていくもの。後天性脳損傷のことを知らない教師も多く、地元の教育委員会に働きかけたり、教育関係者に理解してもらうことも大切」と指摘する。
■ことば
◇後天性脳損傷と高次脳機能障害
交通事故や水難事故、脳症などで、後天的に脳にダメージを受け、後遺症が残ること。
現れる後遺症は一人一人異なる。中でも、記憶力が落ちたり、注意力が散漫になる「高次脳機能障害」は、外見上分からない場合もあり、周囲から理解されないことも多い。
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